2021 年9 月26 日(日)、友の会の主催で哺乳類化石に関する学習会を実施しました。と、なんかいつもと雰
囲気の異なる書き方ですが、実際かなり特殊な学習会でした。講師を務めてくださったのは東北信友の会の●●さんで、会場は長野市の戸隠地質化石博物館です。とはいってもそこにお出かけしたわけではありません。今回はその地質化石博物館とオンラインで各人がインターネットで接続するという形式です。コロナ禍で会員
のみんなが集まるのも困難で、このような形での開催となりました。 学習会は博物館での開催だけあって沢山の標本を見ながら進みました。三重県で発見されたシンシュウゾウ
の足跡化石はアジアゾウの骨のレプリカ比べることで非常に大きいことがよく分かりました。続いて象の骨の部位毎の解説です。大腿骨と上腕骨は重たい象の体重をしっかり支えるために重くて硬く、比較的化石になりやすく、頭は軽くないと支えるのが大変なので薄い骨の集合体で構成されています。こういう骨の特徴は、まず現世の動物の骨をよく観察して理解することで化石と比較ができます。そのため博物館では現世の標本をたくさん集め日々研究をしているのです。
野尻湖の湖底からはネズミの歯、ヒグマの腰骨、トリ、ウサギといった骨、歯が見つかっています。他にも
可能性として、タヌキ、キツネなどが見つかってもおかしくないのですが、ナウマンゾウなどの大型動物しか見つかっていません。これには色々な意見がありますが発掘をしながらなぜそうなのか解明したいですね。学習会の後半は戸隠地質化石博物館の紹介です。この博物館は廃校になった学校を改修していて、本棚をうまい具合に展示収蔵に活用しています。展示物にツキノワグマ、ライオンの頭、トラの骨、レプリカですがジャイアントパンダの頭もあり、滅多に見られないものが次々に出てきました。パンダの主食は竹ですが、あの固い竹を嚙み砕くために臼歯はギザギザなのですが、そういう所も観察する事ができる稀有な博物館です。今はまだ難しいですがコロナ禍が落ち着いたら一度は足を運びたいところですね。
ところでこの学習会オンラインという事でひがし東京の会員だけでなく他の友の会の仲間も一緒に学習しま
した。こういう所もオンラインの魅力ですね。発掘も直接野尻湖まで行けない人もこういう形の参加形態がそのうち実現するかもしれませんね。