鴨川・嶺岡地区で
蛇紋岩 を学ぼう!

~太平洋に突き出た2億年のジオストーリー~

  • 日時:2018年2月4日(日 )10:15集合
  • 集合場所:JR 外 房線 安房鴨川 駅 改札口 
  • 持ち物:タオル、軍手、帽子、昼食、水筒、ビニール袋、レジャーシート等
  • 参加費 1,000 円 昼食代込
     ※ 昼食は米・乳製品を含みます。アレルギー等の方は事前にご相談ください。 
  • 地学団体研究会千葉支部 との合同巡検です。
  • 参加申し込みが必要です。
     申し込み方法は、あしあと184号をご覧ください。

 いよいよ発掘が目前となりましたが、 皆さんいかがお過ごしですか。今回は、鴨川・嶺岡地区で「蛇紋岩」をテーマにした学習会を行いたいと思います。嶺岡地区は、房総半島の中でも最も古い時代の地層や岩石が見られる地域 で、蛇紋岩をはじめ様々な岩石を見ることができます。

 遠方の学習会となりますが、前日からの宿泊を含め、この機会にぜひご参加ください。 

●前日宿泊2月3日も実施します。ご都合のつく方はぜひご参加ください。
宿泊大山青少年研修センター
 〒296-0232 千葉県鴨川市平塚1717-15 
料金:大人5000円・高校生以下3,600円(二食付)+コンパ代
集合:15時20分JR外房線・安房鴨川駅千葉駅1312発→安房鴨川駅15:14
※宿泊される方で、到着が遅れる場合、到着予定時刻、夕食の有無もお知らせください

【行きの電車の例】
特急 新宿わかしお号 自由席あり 船橋 7:52 発⇒津田沼 7:56 発⇒ 
 千葉 駅 8:10 発 ⇒蘇我 駅 8:15 発⇒ 安房鴨川駅 9 38 着 
※千葉駅8 17発 安房鴨川行 安房鴨川駅10 13着 

 山中を歩いたりもしますので、野外活動に適した服装・靴でお越しください。 
 石の採集が可能な場所もありますので、鞄はリュック等がおすすめです。 

※雨天時の予定変更あり。

Mobirise

参加報告

 2月4日、房総半島の嶺岡山地に露出する蛇紋岩を観察する学習会が開かれました。嶺岡山地は、土地の低い千葉県の中にあって、最高峰の愛宕山を含め唯一「山」が連なる地域です。 また、ここにはこれも千葉県では珍しい火成岩が広く分布しています。 
 10時15分に安房鴨川駅に集合した参加者は12名。このうち9名は前夜、大山千枚田の研修施設に宿泊したメンバーでした。大山千枚田保存会の牛村さんに案内していただいて、まず向かったのは鴨川の海岸に面した鴨川青年の家。この施設の周辺に分布する枕状溶岩を見学しました。大きな丸い岩が積み重なった様子が観察できました。その後、すぐ北側の八岡海岸に下りて海岸に転がる岩石を観察しました。嶺岡山地をつくるほとんどの岩石がここに集まっているということで、蛇紋岩やはんれい岩、玄武岩などを見つけることができました。はんれい岩に は大きな角閃石の結晶が入っているものもありました。 
 その後西へ向かって蛇紋岩の露頭を観察した後、野馬土手を見学しました。嶺岡では古代から牛や馬の飼育がされており、嶺岡牧として知られていたそうです。野馬土手は、馬を囲い込む高さ1mほどの土手で、山の斜面にうねうねと続いていました。この土手をつくるのに蛇紋岩が使われたそうです。野馬土手の先の採石場跡では、蛇紋岩中の鏡肌や、元になる岩石の違いによる2種類の色違いの蛇紋岩を比較することができました。 
 昼食は大山千枚田で「ちっこライスバーガー」をいただきました。製法は「秘密」という乳製品を挟んだライスバーガーは、今まで経験したことのない味でしたがおいしくいただくことができました。古くから牛の飼育が盛んだったこの地域では、日常的に乳製品を食べる習慣があったとのこと。また明治時代になって多くの乳業会社が嶺岡を中心として興り、実は明治も森永もカルピスも発祥の地は嶺岡地域だそうです。大山千枚田はその美しい景色で有名ですが、山の尾根のすぐ下に広がる高原状の土地では川から水を引くことができず、雨水だけで水田耕作をしているとのことでした。それを可能にしているのがここに分布する蛇紋岩 で、風化しやすい蛇紋岩が粘土となって地下にあるため雨水が保たれ稲を育てることができるのだそうです。 
 昼食後は露頭を観察しながら林道を西へと向かい、最後は内房の保田近くにある元名海岸で、砂浜に顔を出した小さな蛇紋岩の露頭を見学して学習会を終えました。今回の学習会は岩石の観察だけでなく、「蛇紋岩」をキーワードに嶺岡地域の文化や産業にも触れることができ、とても印象に残るものでした。 (KK)

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